幅(最大値) 約8.6cm 高さ 約21cm
ロシア正教の聖人像の残欠(イコン)です。
ロシア〜東ヨーロッパあたりと思われます。
右腕が肩からなくなっており、左手にも何かを持っていた跡が見られます。
定かではありませんが、もしも右手に十字を、左手に福音書を携えていたとすれば、
グルジアにキリスト教を伝来したと言われる《聖ニノ》の可能性もあります。
首に掛けているのは、十字ではなく丸い形状から、現在も正教会の主教が着用する生神女のイコンを伴った首から掛ける飾りの“パナギア”と酷似しています。
殆ど剥げ落ちていますが、僅かに残る着彩から、もとは非常に鮮やかであっただろうと想像できます。
微笑んだ口元はやさしい表情をたたえており、多くの人々の祈りを受け止め癒してきたことでしょう。
背後には一本造りの特徴である亀裂が走っていますが、それさえも誰かの身代わりとなって守ったのではないかという空想を抱かせます。
画像にてご確認ください。
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